「あれ?なんで動かないの?」——Scratchでプログラムを作っていると、必ずこの瞬間にぶつかります。これはプログラミングが向いていないからではありません。世界中のプログラマー全員が経験することです。

大切なのは、うまくいかないときにどう考えるか。今回はぴょろ先生が「デバッグ思考」のコツを5つに整理してお伝えします。

デバッグとは何か?

プログラムの不具合を見つけて直すことを「デバッグ」と言います。プロのプログラマーも毎日デバッグをしています。「動かない=失敗」ではなく、「動かない=直す機会」という認識がプログラマーの出発点です。

教室でScratchに取り組む子どもたちを見ていると、詰まったときの反応は様々です。すぐに「もうだめだ」と思って手が止まる子もいれば、「なんでだろう」と画面を食い入るように見ながら試行錯誤を続ける子もいます。後者のような姿勢こそが、デバッグ思考の入り口です。

コツ①:一気に直そうとしない

プログラムが動かないとき、「全部ダメだ」と感じてしまいがちです。

しかし、不具合には必ず原因があります。

大切なのは「どこまで動いているか」「どこから動いていないか」を切り分けて考えることです。

Scratchで使える実践的な方法として、「こんにちはと2秒言う」ブロックを怪しい箇所の前後に入れてみるやり方があります。

スプライトが「こんにちは」と言えたらそこまでは動いている証拠。言わなければ、その手前に問題があります。

むやみに全部を見直すのではなく、範囲を絞って確認していくのがポイントです。

コツ②:原因は1つと決めつけない

動かない原因は、必ずしも1か所とは限りません。

条件分岐の条件が違う、メッセージが届いていない、座標がずれている、当たり判定が微妙にずれているなど、複数の問題が重なっていることもあります。

「ここが原因のはず」と思い込んで一点集中で探すより、可能性をいくつか並べながら順番に確認していく方が効率的です。

小学生の習い事としてプログラミングへ取り組むと、この視野の広さが自然と身についていきます。

コツ③:試す→直すを何度も繰り返す

プログラミングは「正解を一発で当てるゲーム」ではありません。

試して、失敗して、直して、また試す——この繰り返しが普通のプロセスです。1回で動いたらむしろラッキーくらいの感覚でいいくらいです。

Scratch始めたばかりの子どもたちには特に伝えたいことですが、うまくいかないことを恥ずかしいと感じる必要はありません。

試行錯誤しながらコードと向き合っているその時間が、実は最も考える力を使っている瞬間です。

コツ④:まず簡単な動きに戻す

「2秒言う」ブロックを使っても原因が掴めない場合は、プログラム自体を一旦シンプルに戻すのが有効です。

「動くだけ」「鳴らすだけ」という最小限の動作から確認して、少しずつ要素を加えていきます。

Scratchは一部だけ実行できるのが強みです。

大きなプログラムを小さな塊に分解して、一つひとつ確認していくことで、どこで問題が起きているかを特定しやすくなります。

プログラメイクでも、詰まったときにはこの「分解して確認」という方法をよく使います。

コツ⑤:動かない=才能がない、ではない

プログラムが動かないことは、才能の問題とは無関係です。

「なんでだろう」と考えている時間こそが、プログラミングの思考力が鍛えられている瞬間です。

東京都中央区で約10年開講しているプログラミング教室として多くの子どもと関わってきて感じるのは、この「考える経験の積み重ね」が後々の成長に大きく影響するということです。

詰まったときこそ成長のチャンス。うまくいかなくても、次の一手を考え続けることが、プログラマーとしての力を育てます。

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本記事の内容を動画でもご覧いただけます。ぴょろ先生がScratchの画面を使いながら、デバッグ思考のコツをわかりやすく解説しています。